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almar.の徒然


by almarsoup

あたしの音

15連勤が終わった。
最後になればなるほど忙しくなるという意味がわからい状況。
勤務時間は最高14時間くらい

ダンス部も軽音部も三年生は文化祭までで引退。
初めて顧問として「うちの子」と呼べる子達。
あたしの数少ない技術を振り絞って、踊ったり叩いたり歌ったり、一緒に頑張ってきた子達。

でもあたしは「生徒会課」にも属しているから、この一週間思うように部活に出れてあけられなかった。

ペンキ塗りや手形あーとをやりながら、早く部活に行きたいとそればかり考えていた。
生徒会の子だって実行委員会の子だって。毎日泣いて笑って、一生懸命で。

同じように可愛いのだけど、やっと出来るようになったあたししかできない仕事に戻りたくて仕方がなかった。

前日だっていうのに、部活に全然でれなかった。もやもやしていた。

実行委員会の背が高くて細い男の子。


何の気なしに
「あの子細いねー」と同僚に言うと。
同僚が声を低くして、あたしの耳元で小さな声で言う。

「病気なんだ。」
「二十歳まで生きられないって本人も周りもわかってる」

「でもそれを、気にしないで暮らそうって本人もクラスのやつらもそう決めてるから」


そういえばいつも行事のたびにひときわ目立つ素晴らしい働きをするその子のことをあたしは知っていた。

お調子者でたまに
「せんせーかわいいっすねー」ってからかってくるその子は。

学校行事のたんびに自分に出来ることを本気で頑張っていて、からだの内側に重いものを抱えている素振りさえ見せなかった。


でも、よく考えたら。
体育祭の日彼は一日中放送でアナウンスをしていた。

「赤組はやいっ驚異的な速さです!!」

「白組もう少しです。頑張れ頑張れ。」

頑張れ頑張れ。

今日もニヤニヤ近づいてきて

「文化祭とかいって、ダンスもドラムもできる先生のためにあるような日ですね。顔がアレだから、せんせーに見えないけどね」と笑った。

あたしは怒ったふりをして、
「ただの童顔ですし、お前らに主役譲るよ」とすねたふりをした。
泣いて泣いて文化祭を終えた。

その間あったalmarsoup練習で遅刻をした。
隊長に説教された。
全く反論する気になれなかった。
この人はあたしを対等で見てくれていると思った。


そんな思いで迎えるライブが10月1日。
代々木ザーザーズー。

あたしの音を必要としてくれている人がいるんだ。
by almarsoup | 2011-09-20 23:21 | かほりの日記